ノバルティスファーマ ノバルティスのbrolucizumab(RTH258)、主要な失明原因であるnAMDにおいて、主要な副次評価項目である疾患活動性に関してアフリベルセプトに比べ有用性を示す



ノバルティスのbrolucizumab(RTH258)、主要な失明原因であるnAMDにおいて、主要な副次評価項目である疾患活動性に関してアフリベルセプトに比べ有用性を示す

2017年 11月 14日

プレスリリース

報道関係各位

ノバルティス ファーマ株式会社

この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2017年11月10日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については英語が優先されます。英語版はhttps://www.novartis.comをご参照ください。

  • brolucizumabは、第III相臨床試験において初めて大半の患者が導入期直後から12週毎投与で継続された抗VEGF薬であり、主要評価項目においてアフリベルセプトに対し非劣性を示した
  • brolucizumab投与群では、実臨床において医師が注射頻度の判断に使う主なマーカーである網膜滲出液(もうまくしんしゅつえき)(網膜内滲出液、網膜下液)は、疾患活動性の徴候を示す患者において、有意に少なかった
  • 滲出液貯留による中心窩網膜厚(ちゅうしんかもうまくあつ)(CST)に対し、brolucizumabはアフリベルセプトに比べて有意なCST減少を示した
  • brolucizumabによる眼および眼以外の有害事象の発現率は、いずれの試験においてもアフリベルセプトと同程度であった

2017年11月10日、スイス・バーゼル発 –ノバルティスは、brolucizumabをアフリベルセプトと比較した2つの第III相臨床試験から、良好な結果が得られたと発表しました。主要な失明原因である滲出型加齢黄斑変性症(neovascular age-related macular degeneration:以下、nAMD)の患者において、主要評価項目の非劣性、主要な網膜の疾患活動性アウトカムにおける有用性、および長期間の持続効果が確認されました1。これら直接比較試験であるHAWKおよびHARRIER試験の結果は、米国眼科学会(AAO)2017年年次総会にて発表されました2

nAMDでは、眼内の異常血管から血液成分が漏れ出し、最終的に損傷および失明を引き起こします3。16週時点で網膜内滲出液(IRF)/網膜下液(SRF)を認める割合は、brolucizumab 6 mg投与群ではアフリベルセプト投与群に比べて、HAWK試験では35%、HARRIER試験では33%低くなっていました(両試験 P<0.0001)2。また48週時点でIRF/SRFを認める割合は、brolucizumab 6 mg投与群ではアフリベルセプト投与群に比べて、HAWK試験では31%、HARRIER試験では41%低くなっていました(両試験 P<0.0001)2。brolucizumab投与群で網膜滲出液が認められなかった患者では、作用が長期間持続し、治療の必要性が低下したことを示唆しています。

さらにbrolucizumab 6mg投与群の患者では、中心サブフィールドの中心窩網膜厚(CST)のより大きな減少が示されました2。nAMDの患者では、CST[光干渉断層計(OCT)で測定]の増加が、網膜内の異常な滲出液貯留を示す主要な指標です4。16週時点(HAWK試験でP=0.0016、HARRIER試験でP<0.0001)および48週時点(それぞれP=0.0023、P<0.0001)で、CSTは有意に減少していました2

両試験の主要有効性評価項目は、ベースラインから48週時点までの最高矯正視力(BCVA)の平均変化量であり、brolucizumabはアフリベルセプトに対し非劣性であることが確認されました2。brolucizumab群の大半の患者(HAWK試験で57%、HARRIER試験で52%)は、導入期直後後から48週時まで12週間投与スケジュールを維持しながら、上述の結果が達成されました2

Retinal Consultants of Arizona病院の執行役員兼南カリフォルニア大学・ケック医科大学Roski Eye研究所の臨床教授で、かつ両試験の治験責任医師を務めた、プラビン・U・デューゲル(Pravin U. Dugel)博士は、次のように述べています。「HAWKおよびHARRIER試験において、brolucizumabが疾患マネジメントに良い影響をおよぼす可能性が示され、また長期間にわたり治療効果が持続することが実証されました。OCT検査で確認される疾患の進行度は医師の治療判断のベースとなるものですが、この主要な指標を含む疾患活動性の評価において、brolucizumabがアフリベルセプトよりも優れることがHAWKおよびHARRIER試験から明らかになりました。重要な点は、これらの主要なOCT指標の改善が、16週時点という早期で認められ、brolucizumabを投与した患者の大半の投与間隔が12週間毎であるのに、48週時点まで継続していたことです」

nAMD治療では高頻度の眼内注射が一般に必要ですが、これは患者および介護者にとって大きな負担となります5,6。brolucizumabは、これまでの無作為化臨床試験において、初めて大半の患者が導入期直後から12週毎(q12w)という低頻度の投与間隔を維持しながら確固たる視力改善が認められた、nAMD治療のための抗血管内皮増殖因子(抗VEGF)薬です2

ノバルティス ファーマのグローバル開発部門責任者兼チーフメディカルオフィサーであるヴァサント・ナラシンハン(Vasant Narasimhan)は次のように述べています。「第III相臨床試験において12週間隔で投与を受けた大半の患者は、私たちが設定した非劣性のエンドポイントを達成しました。このような、疾患のバイオマーカーである主要な解剖学的アウトカムをbrolucizumabが明らかに改善するというデータを共有できることを、私たちは本当に嬉しく思っています。brolucizumabは、世界中の患者さん、介護者および網膜専門医の皆様にとって、科学的かつ臨床的に大きな進歩です」

対照群との直接比較において、16週時点で活動性疾患を有していた患者はbrolucizumab群で有意に少ないものでした。HAWK試験では、brolucizumab 6mg投与群の23.5%とアフリベルセプト群の33.5%に活動性疾患が認められました。またHARRIER試験では、brolucizumab群の21.9%とアフリベルセプト群の31.4%に活動性疾患が認められました(いずれの試験でもP=0.0022)2
有害事象の全発生率は、両試験ですべての投与群間に差はなく、brolucizumabの安全性はアフリベルセプトと同程度でした2。HAWK試験のbrolucizumab 3mg、6mgおよびアフリベルセプト群で最も多く認められた(いずれかの投与群の5%超に認められた)眼の有害事象は、視力低下(8.7%、6.9%、8.9%)、結膜出血(8.4%、6.4%、5.6%)、硝子体浮遊物(6.7%、5.0%、3.1%)および眼痛(5.9%、4.4%、4.2%)でした7。HARRIER試験のbrolucizumab 6mg群およびアフリベルセプト群でのそれらの事象の発現率は、視力低下について5.9%と6.2%、結膜出血について1.9%と3.3%、硝子体浮遊物について3.0%と0.8%、眼痛について2.7%と3.3%でした。眼以外の最も頻度の高い有害事象は、nAMD患者集団で報告される典型的なもので、これらについて群間の顕著な差は認められませんでした7。動脈血栓性事象(ATE)の発現率は、HAWK試験においてbrolucizumab 3mg、brolucizumab 6mgおよびアフリベルセプト群それぞれで3.9%、2.5%および5.5%で、HARRIER試験においてbrolucizumab 6mgおよびアフリベルセプト群それぞれで1.6%および1.1%でした2

brolucizumab(RTH258)について

brolucizumab(RTH258)はヒト化一本鎖抗体フラグメント(scFv)であり、開発段階で臨床的に最も進歩したヒト化一本鎖抗体フラグメントです。一本鎖抗体フラグメントは、分子量が小さく、組織への透過性が高く、体循環からのクリアランスが早く、また薬物輸送上の特徴をもつことから、開発ニーズの高い医薬品です8,9,10

この革新的な独自の構造により分子量が低くなり(26 kDa)、すべてのVEGF-Aアイソフォームに高い親和性をもち、それらを強力に阻害します8,11。非臨床試験において、brolucizumabはリガンド-受容体相互作用の阻害を介してVEGF受容体の活性化を阻害しました8,9,10,11。VEGF経路を介したシグナル伝達の亢進は、眼の病的な血管新生および網膜浮腫と関連しています12。脈絡網膜疾患を有する患者において、VEGF経路の阻害は、血管新生病変の増殖の阻害、網膜浮腫の消失、および視力改善をもたらすことが明らかになっています13

HAWKおよびHARRIER試験の試験デザインについて

全世界の400の医療機関から1,800人を超える患者が参加したHAWKおよびHARRIER試験は、nAMD患者を対象とした最初のプロスペクティブな国際共同、直接比較試験です。革新的な12週毎(q12w)/8週毎(q8w)のレジメンで48週時点の有効性が示され、患者の大半では導入期直後に12週毎(q12w)の投与が行われています。いずれの試験も96週間のプロスペクティブ、無作為化、二重遮蔽、多施設共同試験で、brolucizumabの第III相臨床開発の一環として行われています14,15

また、いずれの試験もnAMD患者を対象に、brolucizumab 6mgおよび3mg(HAWK試験のみ)とアフリベルセプト2mgの硝子体内注射の有効性および安全性を比較するよう設計されました。HAWKおよびHARRIER試験の有効性に関する主要な目的は、ベースラインから48週時点までのBCVAの平均変化量について、brolucizumabがアフリベルセプトに比べて非劣性であることを確認することでした。副次評価項目には、ベースラインから36~48週時までの期間でのBCVAの期間平均変化量、48週時に12週毎(q12w)で投与されていた患者の割合、および解剖学的パラメータが含まれています14,15

いずれの試験でも、患者はbrolucizumabまたはアフリベルセプトに無作為に割り付けられました。brolucizumab群の患者には、3カ月間の導入期直後に12週毎(q12w)の間隔で投与を行い、規定の来院時に行う盲検化された疾患活動性評価に基づき8週毎(q8w)の投与を行うことも選択できました。アフリベルセプトは、その添付文書に従い2カ月ごとに投与しました14,15

16週時点は予め規定される重要なデータポイントでありbrolucizumabとアフリベルセプトの投与が同一の状態で行われることから、両剤の成績を同条件で比較、観察する機会となります2

滲出型加齢黄斑変性症(nAMDまたは滲出型AMD)について

nAMDは、北米、欧州、オーストラリアおよびアジアの65歳以上の人々における重度の視力喪失および法的盲の主な原因です。全世界で2,000~2,500万人がこれに罹患していると推定されています16,17。nAMDは、網膜の中で鮮明な中心視力を担う部位である黄斑の下に、異常な血管が形成されたときに生じます。このような血管は脆弱で、血液が漏出することで、正常な網膜構造を乱し、最終的に損傷を引き起こします18,19,20

nAMDの初期症状として変視症(視覚の歪み)が生じたり、ものを明確に見ることが難しくなります21。迅速な診断と治療が不可欠です。疾患が進行するにつれ、細胞の損傷が進み、視覚の質がさらに低下します。このような進行によって中心視力が完全に消失し、患者はものを読んだり、運転したり、家族の顔を認識することができなくなります18。無治療のままでは視力は急速に悪化します22

眼科領域におけるノバルティスの活動について

ノバルティスは眼科分野のリーディングカンパニーで、網膜性疾患、緑内障、ドライアイおよびその他の外眼部の疾患を含む、様々な眼疾患の治療薬を開発しています。2016年には、約2億人の患者さんがノバルティスの眼科製品で治療されています。

免責事項

本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。

ノバルティスについて

ノバルティスは、ヘルスケアにおける世界的リーダーです。革新的な新薬、アイケア(眼科用医療機器、コンタクトレンズなど)、高品質かつ安価なジェネリック医薬品など、幅広い分野の製品を提供しています。ノバルティス グループ全体の2016年の売上高は485億米ドル、研究開発費は90億米ドルでした。スイス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは約121,000人の社員を擁しており、世界155カ国以上で製品が販売されています。詳細はホームページをご覧ください。https://www.novartis.com

参考文献

  1. 日本眼科学会「加齢黄斑変性」(http://www.nichigan.or.jp/public/disease/momaku_karei.jsp、2017年11月13日情報取得)
  2. Dugel P, et al. HAWK & HARRIER: 48-week results of 2 multi-centered, randomized, double-masked trials of brolucizumab versus aflibercept for neovascular AMD. Presented at: The American Academy of Ophthalmology 2017 Annual Meeting on November 10, 2017, New Orleans.
  3. NHS Choices. Macular Degeneration. Available at http://www.nhs.uk/Conditions/Macular-degeneration/Pages/Introduction.aspx (link is external). Accessed November 2017.
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  5. Mantel I. Optimizing the Anti-VEGF Treatment Strategy for Neovascular Age-Related Macular Degeneration: From Clinical Trials to Real-Life Requirements. Translational Vision Science & Technology. 2015;4(3):6.
  6. Gohil R, et al. Caregiver Burden in Patients Receiving Ranibizumab Therapy for Neovascular Age Related Macular Degeneration. PLoS ONE. 2015;10(6):e0129361.
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  22. van Lookeren Campagne M, et al. Mechanisms of age-related macular degeneration and therapeutic opportunities. J Pathol. 2014; 232(2):151-64. doi: 10.1002/path.4266.

以上

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