ノバルティスファーマ 抗IgE抗体製剤「ゾレア®」、特発性の慢性蕁麻疹の治療薬として効能追加承認を取得



抗IgE抗体製剤「ゾレア®」、特発性の慢性蕁麻疹の治療薬として効能追加承認を取得

2017年 3月 24日

プレスリリース

報道関係各位

ノバルティス ファーマ株式会社

ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:ダーク・コッシャ)は本日、ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体製剤「ゾレア®皮下注用75mg、150mg」(一般名:オマリズマブ(遺伝子組換え)、以下「ゾレア」)について、特発性の慢性蕁麻疹(じんましん)の治療薬として効能追加の承認を取得いたしました。

特発性の慢性蕁麻疹は、直接的な誘因なく、そう痒(よう)>)と膨疹(ぼうしん)*がほぼ毎日発現する疾患です。また、一部の特発性の慢性蕁麻疹患者さんでは、血管性浮腫**を併発することが報告されています1。これらの症状は仕事や学業の能率を著しく低下させ、欠勤・欠席を余儀なくさせるなど、日常・社会生活上の問題となって患者さんの生活の質を大きく損ないます2。また、肌に症状が現れるため、外見上の問題から、精神的な負担が大きいことが考えられます。

現在、特発性の慢性蕁麻疹の第一選択薬として、国内外の治療ガイドラインでは第二世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬が推奨されています3,4。しかし、第二世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬で治療を受けている患者さんの約半数は十分な症状の改善が得られていないとの報告があります5。そのため、第二世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬で効果不十分な特発性の慢性蕁麻疹患者さんに対する、有効な治療薬が望まれていました。

「ゾレア」は、血中や皮膚内の遊離IgEに結合し、肥満細胞および白血球の一種である好塩基球の活性化などを抑制することで、特発性の慢性蕁麻疹の症状を抑制すると考えられています6,7

今回の承認は、日本を含む第III相国際共同試験(POLARIS試験)の結果に基づき取得されました。本試験では、ヒスタミンH1受容体拮抗薬で効果不十分な特発性の慢性蕁麻疹患者を対象に、「ゾレア」またはプラセボを4週に1回、12週にわたって投与した結果、「ゾレア」投与群ではプラセボ投与群と比較し、蕁麻疹の症状や皮膚疾患に関連する生活の質(Quality of Life)を有意に改善することが示されました。また、「ゾレア」投与群における有害事象発現率はプラセボ群と同程度で、既承認の適応症であるアレルギー性喘息患者でみられた安全性プロファイルと同様でした8

ノバルティス ファーマは、今後も皮膚疾患に苦しむ患者さんのアンメット・メディカル・ニーズを充足し、治療の質の向上に貢献していきたいと考えています。

*紅斑を伴う一過性、限局性の浮腫
**皮膚、粘膜の限局した範囲に出現する深部浮腫

「特発性の慢性蕁麻疹」について

特発性の慢性蕁麻疹は、国内のガイドラインにおいて「直接的原因なく自発的に膨疹が出現するもののうち、発症後1カ月以上経過したもの」と定義され9、すべての蕁麻疹の約5割を占めると報告されています1。欧米では、特発性の慢性蕁麻疹と同じ疾患概念は慢性特発性蕁麻疹と呼ばれています10。日本と欧米のガイドラインでは、症状の持続期間に関して若干の違いがあるものの、特発性の慢性蕁麻疹と慢性特発性蕁麻疹は同一の疾患であるとされています11

「ゾレア®」について

「ゾレア」は、ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体です。元はアレルギー性喘息の治療薬として開発され、国内では成人の気管支喘息治療剤として2009年1月(150mg製剤)および2012年9月(75mg製剤)に、小児の気管支喘息治療剤として2013年8月に承認を取得しています。2017年3月現在、世界90カ国以上でアレルギー性喘息の治療薬として、また、世界85カ国以上で慢性特発性蕁麻疹の治療薬として承認されています。

ノバルティス ファーマ株式会社について

ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置くヘルスケアにおける世界的リーダー、ノバルティスの医薬品部門の日本法人です。ノバルティス グループ全体の2016年の売上高は485億米ドル、研究開発費は90億米ドル(減損・償却費用を除くと84億米ドル)でした。ノバルティスは約118,000人の社員を擁しており、世界約155カ国で製品が販売されています。詳細はホームページをご覧ください。https://www.novartis.co.jp

以上

参考文献

  1. 田中稔彦, 亀好良一, 秀道広 (2006) 広島大学皮膚科外来での蕁麻疹の病型別患者数. アレルギー; 55(2):134-9.
  2. Maurer M, Weller K, Bindslev-Jensen C, et al. (2011) Unmet clinical needs in chronic spontaneous urticaria. A GA2LEN task force report. Allergy; 66(3):317-30.
  3. [Hide M and Hiragun T (2012)] Japanese Guidelines for Diagnosis and Treatment of Urticaria in Comparison with Other Countries. Allergol Int; 61(4):517-27.
  4. [Zuberbier T, Aberer W, Asero R, et al. (2014)] The EAACI/GA2LEN/EDF/WAO Guideline for the definition, classification, diagnosis, and management of urticaria: the 2013 revision and update. Allergy; 69(7):868-87.
  5. [Maurer M, Weller K, Bindslev-Jensen C, et al. (2011)] Unmet clinical needs in chronic spontaneous urticaria. A GA2LEN task force report. Allergy; 66(3):317-30.
  6. Kaplan AP and Greaves M (2009) Pathogenesis of chronic urticaria. Clin Exp Allergy; 39(6):777-87.
  7. Saavedra MC and Sur S (2011) Down regulation of the high-affinity IgE receptor associated with successful treatment of chronic idiopathic urticaria with omalizumab. Clin Mol Allergy; 9(1):2.
  8. Hide M, Park HS, Igarashi A et al. Journal of Dermatological Science. Accepted for publication.
  9. 蕁麻疹診療ガイドライン2011. 日本皮膚科学会雑誌; 121(7):1339-88.
  10. Zuberbier T, Aberer W, Asero R, et al. (2014) The EAACI/GA2LEN/EDF/WAO Guideline for the definition, classification, diagnosis, and management of urticaria: the 2013 revision and update. Allergy; 69(7):868-87.
  11. Hide M and Hiragun T (2012) Japanese Guidelines for Diagnosis and Treatment of Urticaria in Comparison with Other Countries. Allergol Int; 61(4):517-27.

<参考資料>

ゾレア®皮下注用75mg、150mgの製品概要

製品名:
「ゾレア®皮下注用150mg」 (Xolair® for s.c. injection)
「ゾレア®皮下注用75mg」 (Xolair® for s.c. injection)

一般名:
オマリズマブ(遺伝子組換え)【Omalizumab (genetical recombination) 】

効能又は効果*(下線部は今回追加承認された効能又は効果):

  1. 気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)
  2. 特発性の慢性蕁麻疹(既存治療で効果不十分な患者に限る)

用法及び用量*(下線部は今回追加承認された効能又は効果):

  1. 気管支喘息
    通常、オマリズマブ(遺伝子組換え)として1回75~600mgを2又は4週間毎に皮下に注射する。1回あたりの投与量並びに投与間隔は、初回投与前の血清中総IgE濃度及び体重に基づき、下記の投与量換算表により設定する。
    (以下略)
  2. 特発性の慢性蕁麻疹
    通常、成人及び12歳以上の小児にはオマリズマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを4週間毎に皮下に注射する。

承認取得日:
2017年3月24日

製造販売:
ノバルティス ファーマ株式会社

*効能又は効果に関連する使用上の注意並びに用法及び用量に関連する使用上の注意は、添付文書をご覧下さい。

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