日本水産 EPAの摂取により、社員健康診断の指標が改善



EPAの摂取により、社員健康診断の指標が改善

2017年12月8日

日本水産株式会社(代表取締役 社長執行役員 大木 伸介、東京都港区、以下「ニッスイ」)では、2016年度に定めた「健康経営宣言」のもと、社員の健康管理のために「生活習慣病の予防」「禁煙対策」「女性健診補助」「メンタルヘルス」の4つに取り組んでいます。

このうち「生活習慣病の予防」について、当社の主要事業であるファインケミカル事業の中核をなすEPA(エイコサペンタエン酸、注1)の活用を開始しています。

具体的には、2016年度の定期健康診断から、全社員の検査項目として循環器系疾患の発症との関連が示唆される指標「EPA/AA比」(注2)を取り入れました。

2017年度の定期健康診断の実施の直前の100日間、前年度の定期健康診断でEPA/AA比が低値であった社員のうち希望者に対して、当社製品であるEPA600mg含有の特定保健用食品「イマークS」(飲料)を無償提供して飲用してもらった結果、EPA/AA比が上昇し、さらに循環器系疾患発症の原因の一つとされる中性脂肪値の改善が認められました。

近年、日本国内では循環器系疾患の発症数が増加する傾向にあり、健保財政への負担が懸念される状況にありますが、今回の結果はそのリスクの低減に貢献するものとしてとらえられます。
ニッスイは今後も社員の健康維持増進に取り組んで参ります。
なお、初年度2016年度のEPA/AA比の測定結果については、「日本薬学会第138年会(金沢)」(公益社団法人日本薬学会、2018年3月25~28日開催)にて報告の予定です。

2017年度測定結果の概要

目的と介入方法

2016年度定期健康診断の結果、EPA/AA比が0.2以下であった社員の同値の上昇を目指し、希望者に対して2017年度定期健康診断100日前からEPA600mg含有飲料を提供しました。

結果

  1. 前年度と比較して、平均でEPA/AA比が0.2ポイント上昇しました。
  2. また、中性脂肪値は8.4%の低下となりました。特に、中性脂肪の境界値とされる150mg/dL以上の集団では26.5%の低下が認められました。なお、150mg/dL未満では1.3%の低下となりました。
  3. 2016年度と2017年度で血中のEPAおよびAAの量を比較したところ、EPA600mg含有飲料を飲用した場合には、血中EPA量は上昇したもののAA量の変化はみられませんでした。これは、AA量の変化をもたらす日常の食生活が両年度の間では特に変化がなかったものと推測され、今回得られた結果はEPA量の増加はEPA含有飲料に起因するものと言えます。

総括

今回の結果から、日常の生活でEPAを摂取する機会の少ない人がEPA600mg含有飲料を毎日飲用することでEPA/AA比が改善、中性脂肪値も減少して、循環器系疾患の予防につながることが示唆されました。

データ解析および監修:医療法人財団 晴山会平山病院 小林 悟氏(元・城西国際大学薬学部教授)

  • (注1)EPAとは
    EPA(エイコサペンタエン酸)はいわしなどの魚油に含まれる成分のひとつで、オメガ3系の必須脂肪酸の一種ですが、体内でほとんど生成することができないため、毎日の食生活を通じて摂取する必要があります。
    EPAは、心疾患リスクの軽減や血中中性脂肪の低下、抗炎症などのさまざまな作用が認められています。1990年には閉塞性動脈硬化症、1994年には高脂血症の治療薬として認可されました。
  • (注2)EPA/AA比とは
    健康を維持するEPAの機能についてはすでに多くのことが明らかにされていますが、今日、特に注目されているのが、EPAとAA(アラキドン酸)の体内バランスを示す比率「EPA/AA比」です。
    AAは必須脂肪酸ですが、肉や植物油(リノール酸)の摂取に偏った食生活を続けていると体内で増えて炎症を促進し、動脈硬化を起こしやすい体質にするものです。一方EPAは、炎症を抑制し動脈硬化が起こりにくい体質にします。
    EPA/AA比が高いと心血管疾患による死亡率が低いことが発表され(九州大学大学院医学研究院による「久山町研究」、Atherosclerosis 231 (2013) 261-267)、EPA/AA比があらためて注目されています。
    過去の調査では、EPAを多く含むアザラシを常食としていたイヌイットはEPA/AA比がおよそ8.0前後あり、一方で比較的魚食が少なく畜肉が主体の欧米人では0.1という結果が報告されています。また、日本人の場合、65才以上ではEPA/AA比は0.68、45~64才では0.51、45才未満では0.28と、年代により差のあることが報告されています。
    米国心臓学会は、冠動脈疾患予防のためのEPA/AA比として、0.75以上を推奨しています。

参考文献

  • Atherosclerosis 231(2013)261-267
  • British Journal of Nutrition 89,267,2003
  • Lancet2007;369:1090,Lipids,25,505(1990)
  • 日本心血管カテーテル資料学会誌 8 219(2008)

以上

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